
2023年09月02日
9月2日朝の読書会 by Zoom
みなさん、こんにちは
本日の読書会も興味深い会となり、嬉しい限りです。

本の紹介です
タマキさん:第二次世界大戦で学徒出陣し戦没した学生が、出陣前や戦地で書いていた手記を74人分集めた本です。歴史の大きな流れを書いた教科書には載らない、戦争犠牲者一人一人の生き様を生々しく感じることができて、その命を奪った戦争はいけないと強く感じました。本の構成は「日中戦争期」、「アジア・太平洋戦争期」、「敗戦」の順になっています。家族、辛い軍事訓練、学問への欲求、戦争責任などについての、学徒兵の様々な思いが記されています。
はなこさん:22-23シーズン、特に2023年は日本バスケの中心に沖縄があると強く実感しています。沖縄にバスケットが文化として根付いていった過程やキングスのことを分かりやすく紹介してあって、バスケットをいまいち分からない方でも楽しめると思います。成さんやコーが所属する群馬とのプレシーズンはまだチケットがあるので、キングスのことが気になった方は是非行ってほしいです!沖アリは最高のアリーナです!
タケさん:「ヤバい世界の奴らは何食ってんだ?」
東京テレビのプロデューサーが、海外の超危険地帯に突入して、ヤバい奴らの飯に食らいつき撮影します。
リベリア人食い少年兵、台湾黒社会のマフィア、ロシアカルト教村、ケニアゴミ山の汚染豚などなど、地元の人は決して近寄らない危険地帯ばかり。殺されてもおかしくない状況で、食ってる飯を見たいと単純にアピールして危機を脱していきます。その国々の事情も描かれていて、文章が読みやすいです。
末尾の締めは、※この旅は絶対に真似しないでください。
atutomuさん:ガサ・クリスティが別の女性名義で1944年に発表。殺人はおろか、何も起こらない。イギリスの中年女性が、バグダッドに住む娘を見舞って帰国の途上、列車の不通で足止めされ、何もない荒野で内省する。良き妻、母としてやってきたと自信に満ちた人。旅先で女学校時代の友人に偶然会う。友人の言葉から主人公が女学校時代からまっすぐに生きてきたと分かる。一方、友人はだめな男を何人も好きになって、家庭を壊したりしてきた。主人公は友人を憐れむ。この辺りから主人公が嫌な人物だと読者は感じるようにできている。
鉄道が不通になり、駅近くの宿泊施設で何日も足止めにあう。話す人もいない。ふだんは家族や地域社会のために忙しくしていて自分のことを考えたことがないから、この機会に考えようとする。ここからの回想がさすがクリスティで、単調にならず読ませる。はじめは、いろいろなトラブルにうまく対処できたのは幸せだと振り返る。2日、3日とたつうちにあの発言、仕草はなんだったのだろうと思い始める。この辺りの、一つの言葉、態度が別の意味を持っているというところがクリスティのミステリと同じ。
例えば、代々の弁護士一族の夫が共同経営者の道を蹴って農場を始めたいと言い出したときに現実的でないと何とか説得して事なきを得たのは妻の責任を果たしたと自負するが、その時の生き生きと展望を語る夫の表情、断念したときの落胆ぶりを思い出す。この旅の見送りに来た夫が彼女とわかれてプラットホームを歩く姿が若々しく見えたことに、自分がいなくなることを喜んでいるのか、いやそんなはずがない、と堂々巡りをする。暑さ、荒涼たる砂漠、遅々として進まない時間の中、日を追うごとに自分に悪いところがあったのではないかと思い至る。イギリスに帰ってどうなったか。幾通りも考えられるが、クリスティの「答え」がなるほどと思える。
atutomuさん:クリスティの邦訳は100冊あるそうだ。ミステリ評論家の筆者が早川書房クリスティー文庫の順番に読んでいったブックガイド。もちろんネタバレはなし。100冊だけでなく、クリスティの本に関連する別のおすすめ本も紹介している。
100冊もあれば、現在においては読む必要がないという作品もある。たいがい国際謀略がからむものは今の水準からすると読むに耐えないと評する。何しろ戦前、戦後すぐの作品なのだから。現在を織り込んだ作品の賞味期限は短い。でもそれを入れたいと考えたのだな、当時のクリスティは。
読んで面白く、情報量がすこぶる多い本だが、困ったことに読みたい本が増えていく。
ガクさん
ガクさん
カーボー:児童書のコーナーにありました。擬人化した動植物、昆虫、自然現象(風とか雨等)が詩を読む設定ですが大人が読んでも日々の日常が楽しい世界に変わるような気づきもあります。
次回の読書会は、9月16日(土)9:00~11:00 小禄南公民館/児童図書室 参加料100円 小禄南公民館住所:那覇市高良2丁目7-1
10月・朝の読書会予定
7日(土)7:30~9:00ごろまで Zoomによる開催 お好きな本をご紹介ください。
21日(土)9:00~11:00 小禄南公民館/児童図書室 参加料100円 お好きな本をご紹介ください。
参加希望・ご質問等はdokusyokai18@gmail.com にメールをくださいm(__)m
期日前に参加URLを送付致します。
本日の読書会も興味深い会となり、嬉しい限りです。


本の紹介です

タマキさん:第二次世界大戦で学徒出陣し戦没した学生が、出陣前や戦地で書いていた手記を74人分集めた本です。歴史の大きな流れを書いた教科書には載らない、戦争犠牲者一人一人の生き様を生々しく感じることができて、その命を奪った戦争はいけないと強く感じました。本の構成は「日中戦争期」、「アジア・太平洋戦争期」、「敗戦」の順になっています。家族、辛い軍事訓練、学問への欲求、戦争責任などについての、学徒兵の様々な思いが記されています。
はなこさん:22-23シーズン、特に2023年は日本バスケの中心に沖縄があると強く実感しています。沖縄にバスケットが文化として根付いていった過程やキングスのことを分かりやすく紹介してあって、バスケットをいまいち分からない方でも楽しめると思います。成さんやコーが所属する群馬とのプレシーズンはまだチケットがあるので、キングスのことが気になった方は是非行ってほしいです!沖アリは最高のアリーナです!
タケさん:「ヤバい世界の奴らは何食ってんだ?」
東京テレビのプロデューサーが、海外の超危険地帯に突入して、ヤバい奴らの飯に食らいつき撮影します。
リベリア人食い少年兵、台湾黒社会のマフィア、ロシアカルト教村、ケニアゴミ山の汚染豚などなど、地元の人は決して近寄らない危険地帯ばかり。殺されてもおかしくない状況で、食ってる飯を見たいと単純にアピールして危機を脱していきます。その国々の事情も描かれていて、文章が読みやすいです。
末尾の締めは、※この旅は絶対に真似しないでください。
atutomuさん:ガサ・クリスティが別の女性名義で1944年に発表。殺人はおろか、何も起こらない。イギリスの中年女性が、バグダッドに住む娘を見舞って帰国の途上、列車の不通で足止めされ、何もない荒野で内省する。良き妻、母としてやってきたと自信に満ちた人。旅先で女学校時代の友人に偶然会う。友人の言葉から主人公が女学校時代からまっすぐに生きてきたと分かる。一方、友人はだめな男を何人も好きになって、家庭を壊したりしてきた。主人公は友人を憐れむ。この辺りから主人公が嫌な人物だと読者は感じるようにできている。
鉄道が不通になり、駅近くの宿泊施設で何日も足止めにあう。話す人もいない。ふだんは家族や地域社会のために忙しくしていて自分のことを考えたことがないから、この機会に考えようとする。ここからの回想がさすがクリスティで、単調にならず読ませる。はじめは、いろいろなトラブルにうまく対処できたのは幸せだと振り返る。2日、3日とたつうちにあの発言、仕草はなんだったのだろうと思い始める。この辺りの、一つの言葉、態度が別の意味を持っているというところがクリスティのミステリと同じ。
例えば、代々の弁護士一族の夫が共同経営者の道を蹴って農場を始めたいと言い出したときに現実的でないと何とか説得して事なきを得たのは妻の責任を果たしたと自負するが、その時の生き生きと展望を語る夫の表情、断念したときの落胆ぶりを思い出す。この旅の見送りに来た夫が彼女とわかれてプラットホームを歩く姿が若々しく見えたことに、自分がいなくなることを喜んでいるのか、いやそんなはずがない、と堂々巡りをする。暑さ、荒涼たる砂漠、遅々として進まない時間の中、日を追うごとに自分に悪いところがあったのではないかと思い至る。イギリスに帰ってどうなったか。幾通りも考えられるが、クリスティの「答え」がなるほどと思える。
atutomuさん:クリスティの邦訳は100冊あるそうだ。ミステリ評論家の筆者が早川書房クリスティー文庫の順番に読んでいったブックガイド。もちろんネタバレはなし。100冊だけでなく、クリスティの本に関連する別のおすすめ本も紹介している。
100冊もあれば、現在においては読む必要がないという作品もある。たいがい国際謀略がからむものは今の水準からすると読むに耐えないと評する。何しろ戦前、戦後すぐの作品なのだから。現在を織り込んだ作品の賞味期限は短い。でもそれを入れたいと考えたのだな、当時のクリスティは。
読んで面白く、情報量がすこぶる多い本だが、困ったことに読みたい本が増えていく。
ガクさん
ガクさん
カーボー:児童書のコーナーにありました。擬人化した動植物、昆虫、自然現象(風とか雨等)が詩を読む設定ですが大人が読んでも日々の日常が楽しい世界に変わるような気づきもあります。
次回の読書会は、9月16日(土)9:00~11:00 小禄南公民館/児童図書室 参加料100円 小禄南公民館住所:那覇市高良2丁目7-1


7日(土)7:30~9:00ごろまで Zoomによる開催 お好きな本をご紹介ください。
21日(土)9:00~11:00 小禄南公民館/児童図書室 参加料100円 お好きな本をご紹介ください。
参加希望・ご質問等はdokusyokai18@gmail.com にメールをくださいm(__)m
期日前に参加URLを送付致します。
Posted by 朝の読書会@沖縄 at 18:28│Comments(0)